令和国際大学

グローバルビジネス学科コミュニケーションデザイン学部

2019-06-01 精神世界での勝利

真っ当な怒り同士がぶつかり合う瞬間が本当に苦手だ。そんなことをいきなり言われても何のこっちゃわからないだろうから説明すると、一方の怒りも他方の怒りも、そういった怒りも当然だという瞬間に立ち会うのが嫌で嫌で仕方ない、ということを、先ほど喫茶店でコーヒーを持っている人が振り向きざまに違う人にぶつかって空気が緊張した瞬間にまざまざと感じていたのである。

仕事でもそうだ。あなたのその昂りもわかるが、私には私の理屈があってこうしているのだというバッティングが起こった時に、これは火花が散ると感じて身を引いてしまう。私は譲り、相手が勝ち取る。その瞬間、私は相手を軽蔑している。相手は実世界での勝利を勝ち取り、私は精神世界での勝利を勝ち取っている。利益の勝利とモラルの勝利と言えるかもしれない。ゲームや試合というのはお互いにルールを共有していなければ成り立たないが、私は多くの人と同じゲームに興味が持てない。モラルよりも利益を優先する人々のことを低俗だと感じている。ともすれば冷笑的だと揶揄されることもあるが、それは見かけの話でしかなく、内実では違うゲームが行われている。