令和国際大学

グローバルビジネス学科コミュニケーションデザイン学部

2019-05-21 絶望を見ながらナポリタンを食べた。

昼前起きて行ったことのない近所の喫茶店ナポリタンを食べる。そこそこ有名店らしく、知人が日本一美味いとまで言っていたので期待していたのだが、体験としては普通だった。喫茶店で食べるナポリタンは大きく分けて2つの流派があり、喫茶店ナポと家ナポに分かれる。行った店は明らかに家ナポの流派であった。要するに実家で出されるナポリタンの味だ。ご主人が描いたであろう絵画が飾られており、そこにはDisapper(絶望)というタイトルが振られていて、私達は絶望を見ながらナポリタンを食べた。今思えば絶望に見られていたような気もしてくる。量は喫茶店水準で非常に多かった。

そのあと駅前まで歩いてカラオケに行った。ユニコーンなんかを歌った。歌がうまくなったんじゃないの、と言われたけど自分としては全体的にハマってる感が無くてモヤモヤしていて、歌というのは相変わらずよくわからないものだなと感じた。スマートフォンのアプリケーションを使うと歌詞が出てくる背景に自分の好きな写真を表示できるというので、うちの猫の写真を見ながらカラオケをした。スライドショーも出来て、飼い猫の写真を次から次へと表示させることが出来て、最初は愉快だったのだが、段々と亡くなってしまったあとに思い出を見返すような趣きが出てきて切なくなってやめてしまった。その場にいない存在のスライドショーを見ていると、不在をかえって強く感じさせる効果があるのではないかと思った。

そのあと場所を移して渋谷のビックカメラに行く。最近は猫の嘔吐の回数が増えているので、床に落ちているホコリや毛、微細な食べ滓などに対して神経質になっており、その対策としてロボット掃除機の導入を検討していた。そして、その検討段階として、ルンバのレンタルというものを行い、部屋がきれいになることはもちろん、猫がビビってしまわないかなどの検証を行い、期待された成果が得られたため、実機の購入に至ったのである。5万円ほどするモデルを購入したのだが、何やかんや色々な余剰資本を投入することで実質的に3万円程度で購入することができた。応対してくれた店員さんが19時までしかフロアにいないということで急ぎ購入し、取り置きをお願いしておいた。

そのままヒューマントラストシネマで「アメリカン・アニマルズ」という映画を見た。話題になっている作品だし、ポスターのビジュアライゼーションも見事で、非常に楽しみにしていたのだが、あんまりしっくり来なかった。劇中には沢山の絵画が出てきたのだが、言うまでもなく「絶望」は出てこなかった。それに一番近いものといえば、映画が始まる前の宣伝でラース・フォン・トリアーの新作の予告が流れていたのだが、それが一番絶望っぽい感じだった。ただ、同行者がすごく気に入っていてパンフレットで買っていたので良かったと思う。思えば、この人がパンフレットを買うまでに感銘を受ける映画に僕がハマることはあまりない。バードマンやマッドマックスもパンフレットを買っていたが、自分はふ〜んという感じだった。

アメリカン・アニマルズを見て僕が感じていたのは、プロジェクト全てをデザインしきるのがいかに難しいかということであった。UXリサーチについて学んでいる最中ではあるが、そういった文脈から見たときにもそりゃそうなるよというところが多数存在する。言ってみればマジレスおじさん的な態度で見ていたことになるのだが、それはおいてといても、特に感情的側面に関するデザインが弱い。体験の核となるのはやはり感情であり、頭でっかちに考えるとそれを過小評価してしまうものなのだなあという学びがあった。あと、リサーチとテストね。その検証の中でそういったペインポイントを予め抽出しておくべきだった。ただ、ここにマジレスしても仕方のない映画だし、そもそもそこを楽しむ映画なのではないのだが、どうしても気になってモヤモヤしてしまった。

そのあと、ルンバをピックアップして帰った。帰宅後、ルンバのセットアップをしながら、Amazon Primeで2006年のテレビドラマ「結婚できない男」を見ていた。出てくる人間全員がめちゃくちゃナチュラルに煽り合いをしている。かくいう私もナチュラルに皮肉を言う人間なので、笑えつつも反省したりして楽しく過ごした。